開業ドクター インタビュー
ミニマムスタートから80歳を超えても働けるクリニックを
旗の台甲状腺クリニック
(甲状腺内科・甲状腺外科)
大桑恵子先生
「旗の台甲状腺クリニック」は、2024年11月に東京都品川区に開院しました。
東急大井町線・池上線 旗の台駅より徒歩2分の場所で、甲状腺内科・甲状腺外科として診療を行っています。
80歳を超えるまで働くために
開業をしようと思ったきっかけを教えてください。
まず、私は医者として元気に80歳を超えるまで働きたいと思っているんですね。
医者として患者さんのお話を聞いて、色々な知識をお届けして、病気のことについて安心して納得していただけるような、そんな診療を80歳くらいまで続けられることが理想なんです。
なぜ80歳なのでしょうか?
大先輩の女性の先生ですが、78歳くらいでクリニックを開業されて、患者さんを診ていらっしゃる方のことをお聞きし、「とても素敵!」、と思ったんです。
私は外科医ですから、手術をすることで患者さんを治療していくことが生きがいでもありました。
ただ、長く診療をつづけていくために、いままでの手術三昧の生活から、外来診療を通して患者さんに接する時間を多くしていくことにシフトしていく生活を考えはじめました。
そのような時に、自分もその先生のように長く働きたいと思ったので、自身でクリニックを開業することを考えるようになりました。
また勤務医だといくつか制約もあって、今の自分にできる、やりたい医療を提供するためというのも開業の理由です。
目標の年齢まで同じ仕事を続けたいとお考えということは、今の仕事のスタイルが向いているのですね?
たまたま自分が医者であって、それが活かせる仕事なんだと思っています。
開業についての情報は、どのように探されたのですか?
皆さんがどんな開業をされているんだろうと思って、インターネットで検索しました。
まずは専門家にお話を聞こうと思って、一番最初に見つけたのがオクスアイさんだったんです。
それで、まずWebセミナーに申し込みました。
集団のセミナーかと思っていたのですが、社長の金村さんと1対1で1時間くらいお話しさせていただきました。
インターネット上には多くの情報がありますが、その中でなぜオクスアイを選んだのですか?
オクスアイさんはホームページもアットホームな感じでとても気になりました。気軽に問い合わせや申し込みができるような感じでしたし、まずは申し込んでみようと思ったんです。
他社にも、問い合わせはされたのですか?
はい。大規模から小規模の会社があると思いますが、それぞれ一応お話を聞いておこうと思っていました。
その他は、対面して他の会社2社にも問い合わせをしました。
1社は知り合いの先生が開業した時に選んだ会社で、もう1社は大手の医療コンサルティング会社です。
他の2社は、どのような感じだったのですか?。
どちらも印象としては、「こうすると儲かります」、「こういうものを揃えて、これもやって・・・」という感じで、最初にサイズを大きく、機器もなるべく導入して、診療時間もなるべく長く、という方針のように感じました。
勤務医の時は結構忙しく、手術は週5日やっていました。術後管理や、夜も再手術が必要になれば行かなければいけない状態で30年近くやってきましたが、今後はゆっくり、じっくりと診療を行いたいなっていう気持ちもあったんです。
大きく開業して頑張っていくというのは、私の考えとは少し違うと感じました。
オクスアイとの面談は、どのような感じだったのですか?
私が考えているコンセプトを大切にしてくださって、「ミニマムスタートでいきましょう」とアドバイスいただきました。
そして、そのために必要な準備や、今やるべき事は何かということもお聞きしました。
「この1、2年は、とにかく患者さんとしっかり向き合って診療して、開業後に先生のクリニックに来てくれるような人を作ってください」という形で面談は終わりました。
また、その時に初めて知ったのですが、甲状腺のクリニックでは、横浜関内わだクリニックの和田先生の開業もご担当されたことをお聞きしました。
以前勤務していた病院の先輩でしたし、あの先生のクリニックもサポートしたのなら大丈夫、と安心できました。
「ミニマムスタート」のコンセプトに沿って、楽しく開業準備
最初の相談の時から、どのような形で開業の決意に至ったのでしょうか?
当初、オクスアイさんには1〜2年後に開業の準備を本格的に始めたいとお伝えしていましたが、自分の将来像を思い浮かべるなかで半年くらい経ったところで、開業を前向きに考えるようになりました。
もう一度オクスアイ社長の金村さんにご連絡して、もう少し早く開業する方針で進めたいとお伝えしました。
何から始めたのでしょうか?
まずは物件探しからですね。
物件が見つかるまでには時間はかかりますので、それまでは動きはありませんでした。
このクリニックの場所はどのように見つけたのですか?
まず開業のコンセプトとして、長く続けていけることを考えて、家から近いところを希望していました。
オクスアイさんが厳選していただいた候補物件を3件くらい、一緒に見にいきました。
その中で、このクリニックのある場所が一番いいなと思いましたし、最寄り駅からの近さや金銭的な部分も踏まえて、金村さんも「絶対ここがいいですよ」とおすすめしていただきました。
前職の大学病院の本院も近くにあるので、連携もしやすく良い場所が見つかったと思っています。
1階という立地の良さもありますし、このクリニックまでは自宅から歩いて5~6分です。
開業時期を2024年11月にした理由はあるのですか?
物件のオーナーさんとの交渉や内装工事の時期を考慮した結果、この時期になりました。
それに求人との兼ね合いで、例えば12月、1月の開院だと、人が集まりにくいと思ったんですね。
逆に8月、9月だと、暑すぎて来院する患者さんが少なくなるかもしれないということで、11月になりました。
クリニックの内装でこだわった点はありましたか?
基本的にはシンプルな感じで、アットホームな雰囲気を目指しました。
私は水泳が得意なことと、海が好きなので海をイメージして、クリニック内に青いカラーも入れました。
開業準備中、大変でしたか?
先輩開業医の皆様を拝見していると、開業の直前、1ヶ月前に退職され準備されておられましたが、私は11月開業に向けて、準備のために7月末で退職しました。
開業に向けて私なりに時間を作ることができたので、時間をかけて毎日色々なことを決めるのがすごく楽しかったです。
様々な業者さんに会い、内装工事の図面を見ながら配置を考える時間は、とても楽しくワクワクしていました。
オクスアイのアドバイスで、印象に残っていることはありましたか?
最初は私の方から、「これもやりたいな」「あれもやりたいな」という感じだったんですけど、金村さんから「それ、本当にやるんですか?」と諌められることもありましたね(笑)。
もっと広い面積のクリニックで、いろいろな機械を入れて、診療内容をさらに充実させることはできたのですが、そうすると私のコンセプトに合わないと思いましたし、本当にやりたいことで絶対必要なものは何か、と考えながら、どこまで削ぎ落としていけるかを目指すようになりました。
クリニックを長く続けていくために
現在、開業して約1ヶ月ですが、開業前と比べて何か変わったことや、気付いたことはありましたか?
生活面とメンタル面は一番変わりましたよね。自分の時間を取れて、それでいて自分のコンセプトに近い形で診療を開始することができて、身体も心もすごく穏やかに過ごせて、充実していますね。
現在、クリニックの経営者として意識していることはありますか?
経営者としてはまだまだ未熟です。意識するところだらけだと思います。
病院で勤務していた時は、役職が上がると、スタッフの方々をまとめる配慮は必要ですが、病院内だけで完結していました。
でも経営者となるとクリニック内だけではなくて、対外的・社会的な繋がり、もちろん職員への配慮も必要とされますので、日々勉強しています。
開業後も、オクスアイからのサポートは十分ですか?
サポートは厚いです。
何かあるとすぐオクスアイさんに相談や質問をしてしまうのですが、毎回的確にお答えいただいています。
例えばどんなことですか?
最近のトピックは2つあって、1つ目は求人ですね。
開業後に1人追加で雇わなければという際、どうすれば良いのかご相談しました。スタート後も、開業前と変わらずに対応してくださるので、安心しました。
もう1つは、開業してすぐのことですが、勧誘電話で大変なことになってしまいました。事情をいろいろ聞いてくれて、さらにお相手の方と実際に金村さんが仲裁に入ってくれ決着しました。この時は本当に助かりました。
今後の目標はありますか?
甲状腺疾患で悩んでいる方はもちろん、地域の人々に貢献できるように、とにかく長く続けていくことですね。
開業して非常に嬉しいこととしては、甲状腺疾患を専門に診るクリニックがこのあたりになかったため、「私のために(クリニックを)作ってくれたって思うぐらい、とても嬉しいです!」と言ってくださる患者さんが結構いらっしゃるんですよね。
そういう患者さんの声が今励みになっています。
現在開業を考えている先生方へアドバイスがありましたら、教えてください。
年齢や専門分野によって違うと思いますけど、一つ言えるのであれば、長く続けていくためには、まずは小さく構えて、ゆっくり認知してもらえるようにすることでしょうか。その上、自宅の近くならなお良いと思います。
甲状腺の病気の特性として、風邪などの身近な症状とは違って、定期的に検査や管理をしていくことが主だった病気なんです。専門特化型の場合は、そのような特性を生かして小さなクリニックとして始めて行くことも良いと思います。
インタビューに答えてくださったのは
旗の台甲状腺クリニック
東急大井町線・池上線 旗の台駅より徒歩2分の場所に開業。
甲状腺専門病院、医療センターにて多くの手術・外来診療を経験した後、理想の診療を実現するために、クリニックを開業。
一緒に病気のこと、体のことを考えて、わかりやすく丁寧に、甲状腺のことならなんでも相談できる身近なクリニックとして診療を行っている。
- 所在地
- 東京都品川区
- 開業年月
- 2024年11月
- 科目
- 甲状腺内科・甲状腺外科
- 開業の特徴
- 新規開業
- ホームページ
- 旗の台甲状腺クリニック
コンサルタントより一言
大桑先生、ご開業おめでとう御座います。
甲状腺の専門病院では、全国から多くの患者さんが来院するので、診てもらうだけで大変に苦労をしている様子が見受けられます。
旗の台に甲状腺の専門クリニックを開院したことで、地域で専門の医療を受けられる機会が出来たことで多くの患者さんに喜んでもらえる事でしょう。
これからも長く続けて行かれるミニマム開業のコンセプトとして、医療機器などはなるべく軽装で開院すると言う計画も実現出来ましたので、経営の負担も少なくなったことと思います。
夏の暑い盛りの中で内装工事を進めて参りましたが、完成に近づく度に喜んで頂けたことが印象的です。
開院直前の準備中に怪しげな勧誘電話がありましたのも、経営者になるための勉強として良い経験になったかと思います。
地域の専門クリニックとして、これからも多くの患者さんの期待に応えるお仕事を続けて下さい。