開業ドクター インタビュー
研修医時代にもらったアドバイス、「引き出し」を増やすことで成し遂げた開業
みきレディースクリニック
(産婦人科)
有川美樹子先生
「みきレディースクリニック」は、2024年7月に神奈川県川崎市に開院しました。
東急田園都市線・大井町線、溝の口駅より徒歩3分の場所で、産婦人科として診療を行っています。
研修医時代に、初めてオクスアイに相談
なぜ開業しようと思ったのですか?
私の親が小児科の開業医だったので、医師といえば開業医のイメージが自分の中に強くありました。患者さんに一番近い存在で、色々な相談に乗っていける医師になりたいと思っていました。
でも、いきなり開業しても難しいと思いましたし、例えば何年たったら良いのかとか、どんなタイミングが良いのかというのも考えて、自分の医療行為に責任を持てるようになったら開業したいと考えていました。
オクスアイに初めて相談したのは10年前(2014年)とお聞きしました。
当時は後期研修の5年目の時でしたが、オクスアイ社長の金村さんに初めてお会いして、相談させていただきました。
その時はどのようなお話をされたんですか?
まだ詳しいことは何も決めていなくて、「開業をするという進路も考えてるんだけど、それに向かってできることはありますか?」みたいな相談をさせていただきました。
ちょうど子供を出産して、産婦人科の勤務医として子育てとの両立にも悩んでいる時期でしたし、開業したら自分の時間を持てるかなと思っていたので、その辺りのこともお話させていただきましたね。
他の会社にもご相談されたりはされたのでしょうか?
もう1社と面談をしましたが、やっぱり金村さんのスタンスが私には合うって感じました。
どのあたりがそう思えるのでしょうか?
私にとっては、オクスアイさんがご提案しているように、堅実に、自分のできる範囲内で開業するというスタンスの方がしっくりきたんです。
もう1社の方は、コンサルティングをメインでやってる会社さんでしたが、「手広く、大きく」という開業を勧められました。
それに、その当時はまだ私が若輩者だったこともあって、もう1社の担当者の方は少し上から目線のところがありましたけど、オクスアイ社長の金村さんは対等な目線で話してくれました。そこも良かったと思います。
研修医の終わりかけぐらいで、社長が直接会ってくれて、医師として誠意を持って接してくれたのはすごく好印象でしたね。
「開業は自分のためにするのであって、女医さんの開業で、時短でやったりとか、融通を利かせた例も多くありますよ」みたいなこともお聞きしました。
自分のできる範囲でやれば良いんだなって思い、お話が心にスッと入ってきました。
最初にオクスアイでご相談されてから、今回の開業準備が始まるまで約10年間ぐらいですが、その間は何か開業のための情報収集はされていたんですか?
最初にお会いした時に、「開業準備のお手伝いはできますが、先生の医療技術は僕たちにはどうにもできません。先生はいっぱい診療をして、引き出し・品物を増やしてください」と言われたんです。
「医療行為も売り物がたくさんないと、普通のお店と一緒で売れませんよね?」っていうお話をされて、じゃあ自分の引き出しをたくさん作ろうって思ったのがこの時期なんです。
私は出産のタイミングもあって医局に入らなかったので、自分で進路を決めなければいけませんでした。
今後開業するとしても使える、産婦人科のサブスペシャリティとして、不妊の分野を勉強しようと思いました。専門医を取るのに最低でも5年以上かかるので、それに結構時間を費やした感じがありますね。
オクスアイから届いた、希望にマッチした物件情報
最初にオクスアイへ開業の相談をされた時は、物件の話はされたのですか?
その時は、開業場所については全然決めていませんでした。
それではその後、改めて先生の方から問い合わせをされたのでしょうか?
いえ、金村さんの方からそれまでに2回連絡がありました。
1回目は2020年くらい、「継承の物件が出たから、先生どうですか?」とメールがあって、実際に物件も見に行ったんですけど、場所がちょっと狭いと感じて、その件は見送ったんですね。
その時に、開業場所の希望はお伝えしたんです。今思えばそのメールがなかったら、今回の開業につながっていなかったかもしれないですね。
しばらくまた音沙汰がなくて、2022年ぐらいに、溝の口駅近くに「2年後にこんな物件が建てられますよ」と連絡がありました。
ちょうど、その頃に開業しようかなと漠然と考えていたエリアだったので、自分の希望とマッチしたんです。
どのような条件が良かったのでしょうか?
溝の口駅は、自宅から近くて、かつ2路線交わる駅の中で一番近い場所にありますし、それに駅の周辺が多様性を感じる街というのも気に入りました。
都内のクリニックで勤務していた時に、多様性のある場所の方が多くの患者さんが来院されるイメージを持っていました。
まだ建物はできていませんでしたけど、オクスアイ社長の金村さんと現地を一緒に見に行って、「ここだったら駅近でまず問題ないでしょうね」とアドバイスいただきました。
その時点で「とりあえず申し込みだけしておきますか」みたいな軽いノリでしたね(笑)。その時は絶対に開業しようって感じではなくて、一応物件を押さえておくという感じでした。
物件を押さえた段階では、開業はまだ決意していなかったのですか?
そうですね。保証金や契約書を書くまでは、まだ戻れると思いながらやってましたね。
オクスアイさんへのコンサルティング料は、開業しなかったら勉強代と思えばいいやと思っていました。(金村さん、ごめんなさい。)
その後実際に開業することを決意されて、その後はどのように進みましたか?
開業の手続き関係はオクスアイさんに丸投げでした(笑)。言われた書類を準備しただけです。
医療機器とかは自分で決めましたが、「これとこれがあるから、選んでください」みたいな形で、ある程度お膳立てしてもらっていたので、色々なところから自分で情報を取るということはあまり必要がありませんでした。
自分が勤務していたクリニックで、この機械が良いなとか、こういうふうにしたいなとかいう構想は、何となく自分の中には入っていて、それにマッチするようなものをどんどん選択していった感じです。
勤務もされながらとは思いますが、開業準備中を振り返って、忙しかったですか?
開業の2ヶ月前くらいまで、前の職場でお世話になりました。
職場の院長先生にも、5ヶ月前ぐらいには退職の意思をお伝えして、「残念ですけど頑張ってくださいね」という感じで、円満退職まではいかなくても、問題はなかったです。
開業準備はオクスアイさんがほとんどやってくれていて、ボーっとしていても問題なかったのですが(笑)、開業3ヶ月前になると、自分でやらなければいけないことが増えて、すごく忙しくなりましたね。
買わなければいけない物品があって、それを探し出すのと、オーダーしなければいけない薬剤が色々あって大変でした。
勤務日と重なっている時期は、夜の時間とかで何とかやりくりして間に合いましたね。
クリニックでこだわった点はありますか?
使いやすさですかね。クリニックの見た目だけじゃなくて、清潔であるとか、医療行為がスムーズにできるとか、動線などについては何回もやり取りさせていただきました。
クリニック工事中でトラブルなどはありましたか?
特にトラブルもなく、とても順調だったと思います。材料の高騰とか職人さんがいないとか、今いろいろあるとは思うんですけど、工期は決められた通りに進みましたし、遅れることも全くなかったですね。
「引き出し」
開業準備期間中に受けたアドバイスで、印象に残っていることはありますか?
「引き出し」の話はすごく鮮明に覚えています。
私にとっては、オクスアイ社長の金村さんイコール「引き出し」みたいな感じで、その一言がなかったら頑張れなかったかもって思うぐらいインパクトがありました。
現在、開業して約2ヶ月が経ちましたが、勤務医の頃と比べて何か変わったことはありましたか?
仕事に対する責任ですね。自分で決めて自分で責任取らないといけないですからね。
開業前からわかっていたことではありますが、勤務医の頃から変わったこととしては大きい部分でしょうね。
時間的な余裕や仕事の負荷についてはどうですか?
元々勤務医の時も、時短勤務でやらせてもらっていたことも多かったですし、それなりに評価もしていただいていたので、勤務医の頃の方が楽だったかもしれないですね。
そのまま勤務医として続けるのもありだったとは思うんですが、やっぱり「開業したい」、「自分の思うように良いことをやりたい」っていう気持ちがあったので全然苦にはならないし、やりがいがあると感じています。
クリニックの経営者として、どのようなことを意識されていますか?
収益はちゃんと上げなければいけないので、収支はしっかり確認をしつつ、でも無理に節約したりは特にしていない感じですね。あとはスタッフが働きやすい環境を心がけていますね。
オクスアイからのサポートは問題ありませんか?
そうですね。2ヶ月ぐらい経った時に資金繰り表みたいなものを持ってきてくれて、「こういうふうに入力して、自分の財布がどうなってるか把握するといいですよ」みたいな話をしていただいたり、他には人事関係とかで相談することが多いですね。
具体的にどのようなご相談ですか?
例えばスタッフの雇用に関してや医療機器の購入に関して、アドバイスをもらうことがあります。
自営業は選択の連続ですが、自分一人では決めきれないときがあります。そんな時は、夫、母と同列で金村さんにも相談し客観的な意見をもらっています。
今後の目標はありますか?
とにかく、無理せず、自分らしく、倫理的にまちがったことは絶対にしない。あとは安心・安全な医療の提供を持続し続けることです。
患者さんが増えてきたので、2診体制にしたいと思っていますが、そこも無理ない範囲で進めていきたいと思っています。
現在開業を考えている先生方へアドバイスがありましたら、教えてください。
やっぱり「引き出し」じゃないでしょうか?
自分の強みをもつと、自信をもって診療できますし、患者さんも安心すると思います。
開業のノウハウに関しては、恥ずかしながらセミナーなどにもいかなかったですし、本も1冊程度読んだのみで、オクスアイさんにおまかせの開業でした。こうしてほしかったなということがあったかを思い返してみてもなにも思い浮かばないので、私にとっては正解の業者さんだったと思います。
金村さん、オクスアイのスタッフの皆さん、今後とも末永くお付き合いをお願いいたします。
インタビューに答えてくださったのは
みきレディースクリニック
神奈川県川崎市、東急田園都市線・大井町線 溝の口駅より徒歩3分の場所に開業。
研修医時代にオクスアイからのアドバイスの通り、自分のサブスペシャリティとして、不妊分野の専門医を取得。
患者さんに一番近いクリニックとして、色々な相談に乗っていける医師として活躍中。
- 所在地
- 神奈川県川崎市
- 開業年月
- 2024年7月
- 科目
- 産婦人科
- 開業の特徴
- 新規開業
- ホームページ
- みきレディースクリニック
コンサルタントより一言
有川先生、ご開業おめでとう御座います。
研修医時代に初めてお会いしてから、10年があっという間に過ぎていった感じが致します。
不妊治療の専門医を取得されるなど、色々なスキルを得てからの開業なので、具体的な開業準備のご相談を受けたときにも、心強く感じた事が印象的でした。
また、先生が希望されていた地域に、丁度タイミング良くお勧め出来る開業物件が出来たのも巡り合わせでしょうか。
温暖化の影響を受けて、2024年はこれまでの記録を塗り替えるような暑さを記録しました。
そんな夏真っ盛りの7月に開業されたにもかかわらず、先生の患者さんに対する細やかな気遣いが効を奏して、数ヶ月で経営が軌道に乗った感じが致します。
これから先の長い開業の生活を楽しみながら、地域の皆様のために良いお仕事を続けて下さい。