開業ドクター インタビュー

ライフステージの最後を37年ぶりの地元で有意義に過ごすため開業

西尾内科クリニック
(内科・糖尿病内科)
西尾真一先生

西尾内科クリニックの西尾先生にインタビュー

「西尾内科クリニック」は、2022年9月に東京都西東京市に開院しました。
西武新宿線田無駅から徒歩1分の場所で、内科・糖尿病内科として診療を行っています。

37年ぶりに実家のある東京で勤務、・・・コロナで状況が一変

西尾内科クリニック01

なぜ開業をしようと思ったのですか?

ずっと大学に勤務していたのですが、医師になったのが10年遅かったこともあり、それまでの実績では大学に残るのが難しい状況だったことが1つ目の理由です。

それに加えて、実家である西東京市(東京都)に母が1人で暮らしていて、5年前くらいから認知症になり介護が必要となりました。
そのため大学のある長野県と東京を行ったり来たりしていました。

そんな中で自分の残りの人生をどうするか考えた時、ずっと過ごしてきた長野県で無理に大学にしがみつくのではなく、37年ぶりに実家のある東京に戻り、クリニックを立ち上げて自分の好きなように診療をしたいと思うようになりました。

そこから開業するための情報を集め始めたのですね?

東京に戻る前から、開業セミナー等には参加していました。
そのセミナーを開催していた、ある開業コンサルティング会社を利用して開業を目指そうと思い、開業の現状やどこで開業するのが良いかということを相談していました。

ただ、「長野県に長年いて、いきなり東京で開業するのは、かなりリスクがある」とアドバイスをもらいましたし、まずは東京の総合病院に勤務して、東京の状況を把握した後に開業する方が良いと思っていました。
そのため、まずは東京で勤務するための病院の斡旋をお願いするところから始めました。

まず病院に勤務し、そこから開業の準備をしていく感じでしょうか?

そうですね。母の住む実家の近くの総合病院を紹介してもらい、「開業を前提として勤務する」という条件で勤務先を見つけることができました。
残念ながら母親は私が大学退職を決めたあと認知症が悪化し、私が東京に戻るのとほぼ入れ違いに施設に入所しました。

開業のタイミングはスケジュール通りでしたか?

当初は後2、3年、60歳で定年になってから開業するつもりでいました。
開業するには遅いとわかっていましたが、コンサルティング会社から可能であるとの返答をもらっていました。
でも新型コロナウイルス感染症が広がった時に、状況が一変してしまいました。

今まで相談していたコンサルティング会社から連絡が来なくなったのです。
病院勤務後、タイミングを見て開業の相談をするつもりでしたが、私の方から催促しても担当者が乗り気ではない様子でした。
コロナの感染拡大時期の開業で、私自身も開業するには遅い年齢ですし、その会社からリスクが高いと判断されて「切り捨てられたのではないか」と思い、別のコンサルティング会社を探すことにしました。

オクスアイはどのように見つけたのでしょうか?

勤務先の病院でコロナ感染症対応の担当責任者になったこともあり、私は仕事に追われて時間をとることができなくなっていました。
妻がインターネットで調べてオクスアイさんを見つけてくれたんです。早速相談する機会を設けてもらいました。

どんな印象を持ちましたか?

圧倒的に良い印象を持ちましたね。
社長の金村さんが直接自宅に来てくださり、腹を割って相談したのですが、実直で堅実な印象でした。
大変親身で正直に現状を指摘してくださり、信頼できると思ったので、おまかせすることにしました。
事前に私が考えていたこととは全く違った観点からの指摘もいただき、開業が現実的にイメージできました。

開業の相談をして、どのようなアドバイスをもらったのでしょうか?

銀行融資の問題や物件を探すための期間も考えると、60歳になるのを待たず、早めに動き出したほうが良いというアドバイスをもらいました。このアドバイスが大きかったです。

当初は一旦ペンディングにしてもう少し考えてからと思っていましたが、その間にコロナの感染状況もさらに厳しくなり、勤務先の病院で様々な対応に追われ、自分の体が持たないのではないかと思い始めました。
そこで60歳で開業する予定を60歳までに開業すると目標変更しました。実際は58歳で開業しています。

総合病院の副院長・コロナ対応責任者としての激務で、開業準備は奥様とオクスアイにお任せ

西尾内科クリニック02

クリニックの場所について、候補地はあったのでしょうか?

開業場所は自分の生まれ育った西東京市に限定していました。
その中でも一番大きい駅である田無駅周辺は、自分が調べた中で糖尿病を専門としているクリニックが比較的少なかったんです。
勤務していた病院からも近く、独立後も協力体制を維持できると考え、田無駅周辺という条件でオクスアイさんにもお願いしました。

物件はすぐに見つけることができましたか?

このクリニックの場所は、実は以前から空いていたテナントなんです。妻が見つけてくれました。
子供が通っている塾の隣で、駅の目の前の場所です。開業場所に良いのではと思い、オクスアイさんに相談しました。

オクスアイの金村さんには「もう少しこじんまりとした、家賃がもっと安いところがいいのではないでしょうか?」というアドバイスもいただいたのですが、駅の近くで、一階であり、便が非常に良く、資金繰りに問題ない範囲でしたのでこの場所で開業することに決めました。
結果的には具体的に動き始めて1ヶ月強という短期間で見つかったので大変運が良かったと思っています。

開業準備期間、病院勤務は続けていたのですよね?

ほとんど病院の仕事をしていましたね。
勤務先の病院では副院長をしていて、コロナ対応の担当責任者としての仕事も膨大でしたので、開業準備に時間を割くことが難しかったです。
週に1回、オクスアイさんとの打ち合わせに参加する以外は、クリニック工事中に見学することもなく、妻とオクスアイさんに任せっきりでした。
自分のクリニック立ち上げに責任感がないといえばその通りなのですが、やむを得なかったと思います。本当に妻とオクスアイさんには感謝しております。

クリニックの内装や雰囲気について、ご要望はありましたか?

まずは開業することが目的だったので、多少の要望は出しましたが、最低限診療ができればいいという気持ちでした。

クリニック工事は順調でしたか?

クリニックの場所が決まってから、最速で開業できるように全てのスケジュールを綿密に組んでもらいました。
びっくりするくらい早く、的確で、全く問題なかったです。
オクスアイさんの仕事ぶりには驚嘆します。人任せで本当に申し訳ないと思いながら、安心しておまかせできました。

オクスアイからのアドバイスで何か参考になったことや印象に残ったことはありますか?

色々な点でアドバイスをいただいたのですが、「あまり手を広げずに、診療内容を絞ってスタートするべき」ということが印象に残っています。
常に現実的で無理せず堅実に考えるよう意識づけを受けました。

また、人事については参考になりました。
自分のことは自分でできるけれど、他人はどうしようもできない、採用する人に関しては面接だけではわからないので、ある程度の時間をかけて様子を見る必要があることや、問題があれば早めに辞めてもらうことも時には必要だということを教えてもらいました。

体が持つまで、のんびり続けていけるクリニック

西尾内科クリニック04

クリニックのオープン後、勤務医の頃と比べて生活は変わりましたか?

今までこんな生活したことがないので、信じられない気持ちです。

大学に勤務していた時は学生の指導や実験、論文の締め切りに追われて、帰宅時間はいつも夜中の0時を回っていました。
長野にいた最後の数年間は母の介護のために金曜日の夜に東京に戻り、土曜日・日曜日に母の世話をして、また夜長野へ帰るというような生活をしていました。
東京に戻って病院に勤務した後も早朝も夜中も関係なく働いていましたし、その後のコロナの感染が拡大すると、もっと忙しくなっていきました。

仕事が終わって家族と一緒に食事ができて、土曜日午後は休みで、日曜日は家族と過ごして・・・、というのは初めての経験で、逆にリズムを崩してしまったくらいです。
病院勤務していた頃は1回も熱を出したり風邪をひいたことがなかったのですが、今までの緊張の糸が切れてしまったのか、最近になって体調を崩してしまいました。

開業後のオクスアイからのサポートはありますか?

手取り足取り、全面的にサポートしてもらっています。アドバイスもいただいています。

今後の目標はありますか?

大学を辞めた時点で、仕事は一段落ついたと思っています。
現在は50代ですが、あとは体が持つまで、のんびりと続けていきたいと思っています。

現在開業を考えている先生方へアドバイスがありましたら、教えてください。

総合病院を退職するまでは人任せでしたが、退職後1ヶ月の準備期間および開業直後は猛烈な負荷がかかりました。
60歳近い年齢でこの数ヶ月は大変きつかったです。
開業はエネルギーがいるので、できれば若いうちから早く動いた方が良いと思います。
大学を辞めて開業しようと考えられる先生も多いと思いますが、ビジョンをしっかり持っていないと、大変です。

私の場合は、学生・研修医時代からずっと過ごした長野から東京に帰って開業するという、イレギュラーな開業パターンだったのであまり参考にならないとは思いますが、オクスアイさんがいなかったら開業はできなかったと思っています。
オクスアイさんに巡り会えて本当に幸運でした。
再三ですが、オクスアイさんに引き合わせてくれた妻と人生を変えてくれたオクスアイさんに感謝しています。

インタビューに答えてくださったのは

西尾内科クリニック

西尾内科クリニック 西尾先生

東京都西東京市、西武新宿線田無駅から徒歩1分の場所に開業。
37年ぶりに実家のある東京都西東京市に戻り、総合病院に勤務後、地域の患者さんのためのクリニックとして診療を行なっている。

所在地
東京都西東京市
開業年月
2022年9月
科目
内科・糖尿病内科
開業の特徴
新規開業
ホームページ
西尾内科クリニック

コンサルタントより一言

西尾先生、ご開業おめでとう御座います。
長年大学病院に勤務されて、定年に近いご年齢での開業でしたので、体力的にも資金的にも、無理のないプランを第一にと思いながら、ご提案してきました。
コロナ禍の中での病院勤務が過酷でしたので、開業されて体力的にも余裕が出てきた事が何よりです。
学究肌の院長先生と、様々な問題をサポートする奥様の良い連携があって、経営的にも順調な立ち上がりを実現されてほっとしています。
ご実家である西東京市に戻られて、長年過ごしてこられた長野県の人柄と、東京でのお付き合いや回りの人との係わり方の環境の変化に、苦労されたようですが、これからも奥様の適切なサポートが功を奏して、楽しい開業医生活を送れることでしょう。
これからも地域の皆様のために良いお仕事を続けて下さい。

一覧へ戻る