勤務医をしながら開業準備を進めるためのコンサルの選び方と活用方法

勤務医をしながら開業準備を進めるためのコンサルの選び方と活用方法

クリニックを開業しようとお考えの先生からのご質問で、「常勤の勤務を辞めないと開業準備が難しいのでしょうか?」とご質問をいただくことがあります。なぜなら、開業予定の半年ほど前から開業の具体的な準備として並行してたくさんのことをしないといけないからです。

最近では、開業支援会社のホームページだけでなくYouTube動画などでもクリニックの開業方法が紹介されていることがあります。そうした情報を参考にしながら、先生お一人で開業準備をなさるとなると、かなり難易度の高い仕事です。しかも、先生は医師としての経験しかないので、開業準備中に経験するさまざまな経営判断に迷ってしまう場合が沢山あります。

そこで、当社のようなクリニック開業コンサルタントにご依頼いただくと、開業がスムースに進むだけでなく、開業準備でのいろいろな悩みや相談にお答えするので、不必要な先生の負担を減らすことができます。開業支援をさせていただいた先生から、「本当にスムースに進み、先輩開業医から聞いていたような苦労はありませんでした」とご感想をいただくことが多くあります。

ただし、労力を無駄にせずスムースに開業するためには、全方位的に豊富な知見を持つコンサルタントに依頼しないといけません。開業支援の経験が豊富で、経験に基づいて丁寧にアドバイスしてくれることが当然望ましいです。コンサルタントによっては、相談しても明確なアドバイスがなかったり、ほとんど放置されてしまったりする場合もあるということを聞きます。

この記事では、クリニックの開業を目指される先生に向けて、信頼できる開業コンサルタントの選び方や活用方法をご説明いたします。

開業準備で必要なこと

開業準備で必要なこと

開業準備で必要なことをご説明したいと思います。これらのことを、先生がお一人で行われるとなると、相当な勉強と時間が必要になることでしょう。もし先生お一人で準備なさるというのであれば、やはり病院を退職されて、開業準備に専念する必要が出てくることと思います。

クリニック開業で求められること

開業準備をスムースに進めるためには、以下にあげることをすべて的確にアドバイスとサポートをしてもらえる、豊富な経験と知見を持つコンサルタントを選ぶことが大切です。

  • ・ 開業場所の地域選定とテナント物件選び
  • ・ 事業計画の立案
  • ・ 資金の調達
  • ・ 内装工事の設計と施工
  • ・ 開設届と保険医療機関指定の手続き
  • ・ 電子カルテと医療機器の選定
  • ・ スタッフの募集と育成
  • ・ ホームページの制作
  • ・ 近隣クリニックへご挨拶と開業のプロモーション
  • ・ 内覧会の準備と実施

どの内容も、先生はある程度の知識をお持ちのことと思います。しかし、それを実際にトラブルなくスムースに完了させるためには、知識だけではなく経験が必要となります。資金調達をするとしても、どのような金融機関に相談したら良いのか、いくら借りたらいいのか、事業計画を立てて明確な回答を出さなければいけません。

ホームページの制作にしても、どこまで作り込むべきか、簡略化すべきところはどこなのか、また、制作を依頼するのに妥当な費用がどのくらいなのか、デザイン性をどうするのかといった様々な要素があります。ホームページの作り込みに必要な打ち合わせは、多くの回数と時間を必要とします。

開業準備に必要な各種の内容を開業までのスケジュールに沿って、適切にこなしていくことは経験のない先生がやろうとすると大変に困難だと言えます。そのため、クリニックの経営にとって大切なことの組み立てが疎かになることが良くあります。そうした状況で開業すると開業した後に大変苦労することになります。

開業準備の中でもっとも大切なことは、最初に行なう「開業場所の地域選定とテナント物件選び」です。どのような地域を選び、どのようなテナントを契約するのかによって、集患の仕方や見込み、損益分岐点という経営の基本となる条件が異なってくるからです。開業場所の選定やテナント選びを間違うと、クリニックが立ち行かなくなり倒産する可能性が高くなります。

豊富な経験と知見を持つクリニック開業コンサルタントは、この部分を最も重要視します。

開業準備でのコンサルタント活用法

コンサルタントの活用法としては、まずは先生がどのようなクリニック開業を目指されているのか、どのようなワークライフバランスをお考えなのかをご相談なさってください。その内容によっては、契約するテナント物件の大きさも違ってきます。

コンサルタント選びとしては、単にクリニックを開業させようとするコンサルタントなのか、それとも先生のご希望をくみ取って、出来る限りリスクの低い開業で、先生の理想を実現できるアドバイスをしてくれるコンサルタントなのかで選ぶと良いと思います。

コンサルタントに依頼して順調に開業準備を進めていっても、先生が必ず悩むところがあります。それがスタッフの採用です。どのような人を採用したら良いのか、有能なコンサルタントでしたら、適切な判断をするためのアドバイスができます。もし先生お一人でスタッフの採用をしようとすると、何度も失敗して損失を出して学んでいくことになるでしょう。

豊富な経験と知見を持つコンサルタントに開業支援を依頼することは、多くの損失を未然に防ぐことになります。

多くの開業コンサルタントが苦手とするのは「内装工事の設計と施工」

多くの開業コンサルタントが苦手とするのは「内装工事の設計と施工」

クリニック開業コンサルタントを名乗る多くの人が苦手とするものとして、内装工事の設計と施工があります。クリニックの内装工事の設計や施工の内容がわかるコンサルタントはほとんどいませんので、実際のところ内装工事の施工会社に丸投げになることがほとんどです。

多くのコンサルタントは、先生に工事会社からの見積書を提出して、具体的なアドバイスはなく「どの業者にしますか?」と訊ねるだけになります。

もちろん先生も内装工事に対する知識など無いのが当たり前ですから、内容の良し悪しの判断もできないので値段の安さだけで選ぶことになり、使い勝手の悪いクリニックになったり、後で大きな工事のやり直しになることも多くあります。

なぜ、多くのコンサルタントは内装工事の設計や施工に対する知見が無いのでしょうか?

それは、開業コンサルタントのほとんどが文系の出身者なので、内装工事の設計や施工という理系の知識を持っていないからです。

実際、クリニック開業コンサルタントと称する人の多くは、医療機器のメーカーや医薬品卸会社などの営業担当者などといった、内装工事のスキルや経験を持たない文系の出身であることがほとんどだからです。

クリニック開業コンサルタントの現状

なぜ医療機器メーカーや医薬品卸会社の担当者が、クリニック開業コンサルティングを行っているのか、また依頼したときのデメリットをご説明いたします。

医療機器メーカーの担当による開業コンサルティング

医療機器メーカーの担当による開業コンサルティング

先生が勤務している病院には医療機器メーカーの担当者が、数多く出入りしていることと思います。そして先生が開業をしようと考えている噂を聞きつけたら、先生に対して「私が無料で開業コンサルティングをいたしましょう」とご提案することがあります。

無料ですから先生にとっては願ってもないことです。ところが、なぜ無料で開業コンサルティングができるのかを考えたら、理由は分かるはずです。お察しのように、医療機器メーカーが販売している医療機器を買ってもらいたいからです。

医療機器メーカーの営業担当者は、先生に自社の製品を購入してもらいたいので、無料でコンサルティングをします。そして、先生に自社の医療機器を中心とした開業を提案するのです。

クリニックは誰のためにあるのでしょうか? もちろん患者さんのためです。医療機器メーカーのためにあるのではありません。もちろんその医療機器が必要不可欠なものでしたら、導入すべきだと思います。しかし、コンサルティングを無料で行ってもらった手前もあり、オーバースペックな医療機器を導入する先生が大変多くなります。そのような医療機器の購入方法では、初期投資が高くなるので借入金も大きなものとなるため、開業後にクリニックの経営を圧迫することになります。

医薬品卸会社の担当による開業コンサルティング

医薬品卸会社の担当による開業コンサルティング

ある医薬品卸会社の担当者が無料で行っていたクリニック開業コンサルティングの事例をご紹介したいと思います。その担当者は、都内のある場所でクリニックの開業を支援していました。

その担当者が提案した開業場所については申し分ありませんでした。もちろん、医薬品などはその営業担当者から購入することになります。

しかし、問題は別にありました。その人物は、その開業場所から自転車で5分ほどの場所に別のクリニックの開業も支援していたのです。2箇所同時に、しかも診療圏が被る同じような場所に、同じ診療科目のクリニックを開業させていました。

本当に酷い話です。このように、どのようなコンサルタントに依頼するのかによって、経営に大きな影響があるのです。

すべてのコンサルタントがこのようなことをするとは限りませんが、医療機器メーカーや医薬品卸会社などの担当者にコンサルティングを依頼すると、このようになる場合もあることを覚えておいてください。

クリニック開業コンサルタントを選ぶ際のポイント

クリニック開業コンサルタントを選ぶ際のポイント

クリニック開業コンサルタントを選ぶ際のポイントは、次のような相談に乗ってもらえるかどうかです。

  • ・ 子育て中の先生のワークライフバランスを考えた開業支援ができる
  • ・ 低リスクで高い手取り収入が得られるミニマム開業の相談に対応してくれる
  • ・ クリニックの集患を考えた開業場所をアドバイスしてくれる
  • ・ 建築の知識を持っており、内装設計や施工の実績がある
  • ・ 資金調達のしやすい事業計画を立ててくれる
  • ・ スタッフの採用やお給料についてのアドバイスをしてくれる

これらすべてが揃ったクリニック開業コンサルタントはなかなかおりません。弊社ではもちろんすべてに対応していますが、東京23区を中心としてその周辺地域に限定しているので、その他の地域の方には申し訳なく思っています。

弊社の開業コンサルティングで損失を防いだ事例

当社の開業支援の中で、先生にアドバイスをして損失を防いだ事例を3つご紹介します。

医療機器の電源が不足していたことに気が付いた事例

医療機器の電源が不足していたことに気が付いた事例

クリニックの専門科目によっては大きな電源を必要とする医療機器が必要な場合があります。例えば美容皮膚科のレーザー装置、整形外科や呼吸器内科のレントゲン装置などは、単相200ボルト30KVAといった大変大きな電源を必要とします。

医療モールなどは、どのような医療機器が導入されても対応できるように、電源の計画も余裕を持って対応できるように設計されていますが、一般のテナントビルではこのように大きな電源が来ていることは稀です。そのためこうした診療科目で開業しようとする場合は、テナント契約をする前に電源容量を確認しておくことは必須です。

もし電源容量が足りなかった場合は、後から先生のご負担で、テナントの室内まで新たな電源の引き込み工事が必要となります。その工事は建物の条件にもよりますが少なくとも100万円から300万円ほどかかる場合があります。

当社にて開業支援をさせていただいた案件でも、事前の調査でテナントの電源容量が足りないことを確認したので、追加で電源の増設ができるかどうかの検証をしました。幸い、建物の受電装置(キュービクル)に余剰の電源があることを確認できたので、新たに電源幹線を引けば良いことがわかりました。追加で150万円ほどの費用がかかることが分かりましたので、事業計画の中に追加予算を組み込んでスムースに開業準備を進めることができました。

もしテナント契約をした後に電源容量が足りないことがわかり、しかも建物全体に余剰電力がなくてテナントの電源を増設することが、技術的に不可能であることがわかった場合には、開業そのものができなくなってしまいます。仕方なくテナント契約を解除する場合には、結果的に数百万円の契約金をドブに捨てる羽目になってしまいます。

テナントの立地条件などは目で見てわかるものですから、立地条件の良し悪しを評価できるコンサルタントは多くいると思いますが、このような電源容量といった問題はテナントを見ただけではわかりません。医療機器と建築設備のマッチングに関する知識が無いコンサルタントに依頼すると、このような問題点を事前に確認することができずに、後で大変な損失をこうむってしまう場合もあるのです。

消防検査で通らないことを発見した事例

消防検査で通らないことを発見した事例

テナント物件の契約での事例をもう一つご紹介したいと思います。それは、立地条件の良いテナントを発見したのですが、弊社コンサルタントが火災報知設備が備わっているかどうか調べてみたら、案の定、クリニックが入るのに適していない消防設備しかありませんでした。

クリニックなどの業種は不特定多数の人がテナント内を出入りしますので、法的には「特定用途」という分類になります。そのようなテナントが入居するビルは、防災設備の基準が厳しくなりますのでビル全体に火災報知設備を設置しないといけません。

テナント契約をした後にそのような法的規制が判明した場合、建物全体に火災報知器を取り付けるための費用を先生が負担しなくてはならなくなってしまいます。実はある大手の医薬品卸会社のコンサルタントが対応していた開業事例で実際にそのようなことが起こったのです。その医薬品卸会社にコンサルティングを依頼した院長先生は激怒しましたが、仕方なく建物全体に自動火災報知器を取り付けるための、数百万円の工事費用を支払って開業することになりました。

そのコンサルタントは、「自分は役所に開設の届出を出すことが仕事なので、建築のことは内装事業者を先生に決めてもらってからでないと法的なことは調べられないし、テナント契約をしてからでないと内装業者も決まらないので、消防署がそういうのであれば申し訳ないですが仕方がないです。」と言って、自分も困った顔をしていました。さらに「無料でコンサルタントをしているので専門外のことは分かりませんのでご理解ください。」といって謝罪していました。

営業電話での損失を防いだ事例

営業電話での損失を防いだ事例

クリニックを開業したら固定電話を設置します。すると、よく営業の電話が入るようになります。NTTの代理店を名乗る業者から「当社の回線に切り替えしていただくと電話代が安くなります」とか、グーグールの代理店を名乗る業者から「求人広告を無料で出せます」といったものが多いです。このような電話の多くは詐欺的なものですから、無視してくださったら良いのですが、初めてこのような電話を受けた先生が真に受けてしまって、後で高額な請求が来ることもあります。

特に、NTTの電話回線やプロバイダーに関する契約の変更をした場合には、クリニックの院内ネットワークが全てクリアされて診療業務ができなくなってしまいます。確かに電話の通話は従来通りにできるのですが、オンライン資格確認を含めて全てのシステムが使えなくなってしまいますので、絶対にこのような話に乗らないでください。

知り合いが「働きたい」と言ってきたのを再考してもらった事例

知り合いが「働きたい」と言ってきたのを再考してもらった事例

以前の勤務先で一緒に働いていたスタッフから、「先生のクリニックで働きたい」と相談が来ることが良くあります。そうした場合、病院での勤務態度も良かったようなので常勤職員として採用しようとすることが良くあります。

ここで気をつけなくてはならないことは、病院に勤務している時は同じ職場に雇われて働いている同士でしたが、先生がクリニックを開業すると、経営者と従業員という関係になってきます。そうした関係性をよく理解しないで、従業員として勤務するのに、以前からの知り合いだから自分には良くしてくれるだろうという、ある種の甘えを引きずってくる場合があります。

こうしたことは経営的に大きなマイナスを生む可能性がありますので、期待はずれの職員さんを雇ってしまった場合には辞めてもらうことが必要になります。なまじ知り合いですと解雇もしにくくなりますので、よほど相手のことがわかっている関係以外は以前の職場の知り合いの雇用はよく考えた方が賢明です。

以上、クリニック開業コンサルタント選びのポイントをご紹介しました。

先生お一人でクリニックの開業をしようとすると、申請書類の勉強、経営の勉強、内装工事の勉強など、勉強すべきことが多岐に渡ります。いろいろなことを覚えたり、知識もないのに経営判断が求められたりすることが、とても多いです。先生お一人で、誰のアドバイスも受けずに開業なさるのであれば、おそらくは開業の1年前には勤務医を辞めて、クリニックの開業準備に専念し、開業のための知識習得もなされた方が良いと思います。

開業の専門家であるコンサルタントに支援を依頼すれば、良き相談相手にも指導者にもなってもらえ、開業での悩みに対してすべてアドバイスしてくれるわけですから、とても心強いものになり大幅な時間短縮にもなります。また、大きな損失を未然に防ぐこともできます。

東京23区やその周辺都市でクリニックの開業を目指されている先生は、ぜひ当社のコンサルティング支援をご検討ください。オンラインで無料相談ができ、クリニック開業成功のポイントを知ることができる「クリニック開業Webセミナー&個別相談会(無料)」をお申込みいただければ、ベテランの開業コンサルタントが、30分~1時間無料でクリニック開業準備や事業計画の内容をアドバイスさせていただきます。

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