産婦人科クリニックの開業費用はいくら?自己資金はいくら必要?

女性の産婦人科医のクリニック開業は子育ての両立にも最適

子育てをしたら病院に戻るかミニマム開業で子育てを選ぶか

近年、大学病院では医師の不足が言われているので、女性医師が結婚し子供を宿して出産するときに、産休を取ったとしても、「またすぐに勤務医として戻ってもらいたい」と言われることが多くなっています。

大きな病院では、産休を取ることには寛容になってきていますが、とは言っても、育休を取ることには、まだまだ寛容でない病院も少なからずありますので、子育てのために勤務していた病院を退職せざるを得なくなってしまい、そのためにキャリアがいったん途切れてしまうことになる場合もあります。

病院は毎日患者さんを診ているわけですから、常勤の先生が抜けてしまったら、誰か別の人で穴埋めをしなければなりません。そのため育休で1年間も休んだとしたら、戻る場所が無くなってしまうこともあります。病院に戻れたとしても、子供が熱を出したり、学校から呼び出されたりしたら、勤務先に遠慮しながら休まないといけないのが女医さんの子育ての現実です。

そういったこともあり、女性医師の場合はキャリアを取るか、子育てを取るか、迷ってしまっている人も多いと思います。

もし、産婦人科で働く女性医師であれば、「クリニックを開業する」という自立の方法で、ご自身のキャリアと子育てを両立させることが可能です。しかも、産婦人科は、その両立に最適な科目の一つです。

子育てしやすく低リスクのミニマム開業とは?

子育てしやすく低リスクのミニマム開業とは?

子育てと仕事を両立できる開業について、少し考えてみられた方は、「そのような都合の良いことが可能なのだろうか?」と疑問になられたことと思います。次のような疑問を感じたのではないでしょうか?

  • ・そもそも、私が開業してうまくやっていけるのだろうか?
  • ・開業するためには、たくさんの資金が必要だし、リスクもある。
  • ・集患ができなくなったら倒産して、借金だけが残ってしまうのでは?
  • ・開業された先輩は、経営が大変そうだったし、「開業だけは止めておけ」と言っていた。

どれも、ごもっともなことです。

誰しも初めてやることを成功させるのは難しいと思います。例えば先生が初めて産婦人科医として診療を行ったときのことを思い出してください。「こんな私が医師としてやっていけるだろうか?」と心配されたかもしれませんが、今は立派に診療をこなされていると思います。

新規開業をして、クリニックを経営することにもちろんリスクはあります。クリニックを開業された先輩の先生の多くは、「クリニック経営は大変だ」と言っていると思いますが、それは開業の相談をする相手を間違ったために、リスクの高い開業の仕方をしてしまった結果と言えるでしょう。先生方も、研修医の時に良い指導医に巡り会うことで一人前の医師になれたことと同じです。

集患がしっかりでき、なおかつ賃料が安い場所で開業して、初期費用や経費を最小限にしつつ、子育てができ、なおかつ先生にも十分な手取りを得ることができるクリニックの開業方法があります。

それが、「ミニマム開業」です。

ミニマム開業でリスクを抑えるポイント

開業のリスクを抑えたミニマム開業のポイントは、賃料を低く抑えることです。賃料は、患者さんの数が多くても少なくても、一律にかかる固定費です。そのため、なるべく安く抑えることがポイントです。

家賃は坪単価で計算されます。例えば、坪単価が1坪当たり2万円だったとします。40坪のテナントを借りたとすると、毎月の家賃は80万円+共益費になりますので総額では100万円を超えるでしょう。このように、坪単価が2万円のような家賃が高い場所は、駅前などの目立つ場所です。

同じく坪単価2万円のテナントで、20坪程度の場所を借りると、月の家賃は40万円+共益費になります。ミニマム開業ではクリニックのスペースを最小限の広さに押さえるので、20坪前後の広さで開業することで、同じ様な集患が出来る好立地でいながら、固定費としての家賃を半額程度に抑えることが出来るのです。

また、育児をしながらのミニマム開業ですから、診療時間の設定を10時から16時までの間とすることで、正社員のスタッフを雇うのではなく、パートタイマーのスタッフだけでクリニックの運営が可能になります。

すると、お給料の支払い額を安く抑えられて経営が安定しやすいですし、先生と同じように育児をしているパートタイマーのスタッフを雇いやすくなり、スタッフ同士で勤務のシフトを交換しながら休みも取りやすくなるので喜ばれます。

ミニマム開業の詳細は、ミニマム開業とは?メリット・デメリットをご覧ください。

産婦人科クリニックの開業に必要な費用

産婦人科クリニックの開業に必要な費用はいくら?

さて、本題の産婦人科クリニックの開業費用はいくらかかるのか、自己資金はいくら必要なのかということですが、産婦人科クリニックをミニマム開業する場合を想定して試算したいと思います。開業場所は、都内で子育て世代も多く、産婦人科クリニックの集患がしやすい地域に開業することを想定します。

1.テナント確保のための費用

20坪程度のテナントを契約しようとすると、テナント賃料を坪20,000円、共益費を2,000円、保証金を6ヶ月と仮定した場合、テナント契約に必要な資金は下記のようになります。

前家賃:(20,000+2,000円)× 20坪 + 消費税10% = 484,000円(月額賃料)

保証金:20,000 × 20坪 × 6ヶ月 = 2,400,000円

仲介料+礼金:20,000円 × 20坪 + 消費税10% = 440,000円 × 2 = 880,000円

保証会社契約料:賃料1ヶ月分 = 484,000円

合計概算:430万円

2.内装工事費

産婦人科クリニックの内装工事費はいくら?

次にクリニックの内装工事費です。クリニックのテナントは、コンクリートの壁がむき出しになっているスケルトン状態になっていることが多いです。そこに内装工事をして、産婦人科クリニックに仕上げますが、内装工事費の坪単価は工事するスペースが狭くなると工事費の単価は上がってしまいます。

それは、100万円の設備を50坪の広さに入れた場合、坪単価は2万円ですが、同じ設備を20坪の広さに入れた場合には坪単価が5万円になってしまいます。クリニックの内装工事の計画では多くの設備が入って来ますが、広さにかかわらず必要な設備を揃えなくてはならないので、計画するスペースが狭くなるほど内装工事の坪単価は上がることになります。

また、コロナ禍以来原油価格の高騰や諸物価の値上がりに伴い、建築工事全般の価格が以前の水準からから見ると3割以上値上がりして来ました。

例えば現在では、40坪程度の内装工事の場合には坪単価は80万円程、20坪程度の内装工事の場合には坪単価は100万円程になることを想定しておく必要があります。

坪単価100万円 × 20坪 + 消費税10% = 2,200万円

防災工事・その他の予備費 = 200万円

合計概算:2,400万円

3.医療機器購入費用

産婦人科クリニックの医療機器購入費用はいくら?

エコー、内診台、心電図、電子カルテ、といった医療機器を購入します。その費用が最初に必要です。産婦人科クリニックでは、選定するエコーの機種によって購入価格に大きな差が出ます。できれば、格安で購入ができる新古品や中古品を購入できれば理想的です。

概算:1,600万円

ミニマム開業では、大がかりな医療機器は購入しないで、患者さんに特別な検査が必要となった場合には、検査センターか提携の病院で診てもらうようにしてください。

4.什器備品・看板工事・開業準備その他の費用

什器備品・看板工事・開業準備その他の費用

内装工事とは別に、机や椅子・ソファーや収納棚などの家具類を購入したり、看板を設置したり、開業のお知らせをするチラシを作成したり、ホームページの製作も必要になります。そういった諸々の開業準備費用がかかります。

概算:500万円

5.運転資金

運転資金は、クリニックを開業したばかりの時期は患者さんが少ないので、少しずつ患者さんの数が増えて、損益がプラスになるまで、お家賃や人件費などを払い続ける必要があります。そのための運転資金を用意しておきます。

概算:1,500万円

6.コンサルタントの費用

開業の準備は、先生お一人では難しいです。ミニマム開業を成功させるためには、開業した後の経費を抑えることがポイントです。ミニマム開業に失敗したら、せっかくの子育てができなくなることもあります。

ミニマム開業を成功させ、子育てができ、先生にもしっかりとお給料が出せるようにするためにも、経験豊富な開業コンサルタントに相談することをおすすめします。

そのような専門のコンサルタントに依頼すると、ある程度の費用はかかりますが、その費用以上の効果が得られ「ミニマム開業の専門家に依頼してよかった」と思われることでしょう。

当社の開業サポート業務 一括料金:160万円(税別)

自己資金はいくらくらい必要か?

産婦人科クリニックの開業に自己資金はいくらくらい必要か?

すべて合計すると、クリニックの規模と選定する医療機器によって概算で6,600万円~7,000万円ほどになります。事業の原則は開業に必要な資金は全額を銀行からの借り入れで賄い、その資金をクリニックの売り上げでキチンと返済していくことです。借りたお金を返済できない様なクリニックであれば開業することの意味がありません。

ただし、銀行からお金を借りられる時期は、開業場所が決まってから3ヶ月ほど先になってしまいます。そのため、最低でもテナントの契約に必要な資金を自己資金で負担できることが大切です。自己資金が十分に有れば、良い物件を見つけたら、すぐに抑えることができるので、ミニマム開業の成功につながりやすくなります。

上記の試算では、430万円を持っていたら良いことになりますが、余裕を見ると最低でも500万円。できれば、1,000万円くらいの自己資金があると、銀行の融資審査にも有利になりますし、経営も安定化させやすいです。

ミニマム開業したい場合のコンサルタント選び

最後に、ミニマム開業をしたい場合のコンサルタント選びについて、ご説明しておきたいと思います。コンサルタント選びを失敗してしまったら、ミニマム開業どころか、先輩方のお話のように「クリニック経営は大変だ」ということになってしまいます。

開業コンサルティングを専門としている人を選ぶこと

開業コンサルティングを専門としている人を選ぶこと

クリニック経営と子育てを両立させるためには、開業コンサルタント選びでは、もちろんミニマム開業の知識が豊富な会社をお選びいただくことが基本です。コンサルタントの多くは「自分は専門家だ」と自負しているので、誰が本当の専門家なのか、選びかねるところがあります。

そこで、おすすめの方法が、「開業コンサルティングを専門としているか?」ということがポイントです。

よく、「無料でコンサルティングします」という人は、医療品卸しや医療機器などの商社のスタッフであることが多いです。そういった人は、クリニックを開業させてしまえば、そのクリニックが医療品や医療機器を買ってくれたら、自社に利益が入る仕組みになっています。そのため、クリニック開業の知識に乏しい人がサポートするために、開業費用が余計にかかったり、割と強引に開業をさせてしまうようにアドバイスをする場合が多いので、ミニマム開業に失敗しやすくなります。

無料のコンサルタントを選んで失敗した事例

無料のコンサルタントを選んで失敗した事例

他社の開業コンサルタントに依頼していた医師が、当社に開業相談に来られることがよくあります。「別のコンサルタントとお話ししているのですが、どうも不安で仕方がない」ということでのご相談です。

とある先生の開業の事業計画や現場を確認したところ、内装工事費の見かけの金額は安かったのですが、このまま開業したら数年後に内装に問題が発生する状態でした。

コンサルタントに実力がない場合は、先生に「どの内装業者にしますか?」という具合に、先生に判断をお任せします。内装工事の素人である先生は、費用だけしか判断材料がないので、工事費が安いところに発注しようとしました。その工事の見積書の内容を詳細に見ると、本来必要とされる設備や構造の仕様が安普請で脆弱なために、数年後にはそれらの改修工事でクリニック全体のリフォームをしないといけないような内容でした。

他にも、防災工事や電気工事が別途必要になり、内装工事費が大幅に加算されるような工事会社を勧めるコンサルタントもいました。医療機器の電源が、テナントビルの電源に合わないものを導入しようとして、そのまま工事を進めてしまったら、「あれ?電源が合わない」ということで、電源工事の追加があり、後から何百万円もの大幅な費用がかかってしまうというケースも見受けられました。別の案件では、クリニックに必要な防災設備が整っていないテナントビルに入居しようとして、テナント契約後に消防署からビル全体に火災報知設備を新設する様に、指導を受けるケースもありました。

酷いコンサルタントになると、同じ商圏エリア内に同じ診療科目のクリニックを2店舗同時に開業させてしまう人もいます。同じ商圏エリア内に自分と同じ科目のクリニックが同時期にできたら、ショックです。しかも、それを同じコンサルタントが担当している場合があるのです。このような酷い話が本当にあるのです。

そのようなコンサルタントを選ばないようにするために、開業コンサルタントを専門として実績のある会社に任せることをおすすめします。

当社の開業コンサルタントはミニマム開業の専門家ですので、安心してお任せいただけます。まずは、コンサルタントに無料でオンライン相談ができる、Webセミナー&個別相談会にご参加ください。また当社の産婦人科の開業コンサルティングの詳細は、産婦人科医院の開業を支援するクリニック開業コンサルティングをご覧ください。

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