親の土地での開院はお得!?クリニック開業の目的と資産形成
「資産」と聞くと何をお考えになるでしょうか?
不動産や有価証券、ご自身の人間関係、技術など、将来の利益につながるような様々なものが考えられると思います。
開業は、その後の人生にとって満足のいくものでなければなりません。
開業を成功させつつ、今後の人生を満足のいくものにするためには、ご自身の資産を有効活用することも重要です。
今回は先生方からご相談をお受けする中で、話題になることも多い資産の1つ「相続予定の土地」に焦点を当ててお話します。
なぜ開業したいのか?
開業についてのご相談に来られる先生方に、「なぜ開業したいのか?」ということを必ずお聞きしています。
ご自身の目指す医療の実現のためであることは当然ですが、同時に、「現状の給料に満足できない」、「子供を医学部に入れる教育費のため」といった理由もよくお聞きします。
つまり、「お金」は開業において重要な要素です。
だからこそ、「開業して失敗したくない」、「今の安定した収入よりも下がるリスクを避けたい」というお悩みを持たれるのも当然です。
そして開業するためには資金が必要なので、銀行から借金をすることにもなるでしょう。
そのような開業医の生き方としては、
40代:借金を返す
50代:資産を作る
60代:50代の継続
70代:遊んで暮らす
80代:身辺整理
というのが理想的です。
開業の目的は長期的に見ると、「資産を作ること」へと向かっていくことが重要なのです。
資産をつくるための「土地」
資産について先生方とお話していると、親御さんが資産を持っているというケースが少なからずあります。
やがて相続する土地に自宅兼用のクリニックを建てたいとご相談に来る先生もいらっしゃいます。
「自宅やクリニック『だけ』のために土地を利用するのはもったいない」とアドバイスさせていただいています。
条件次第では、その土地がお金を生むことになるからです。
良い例が、「賃貸マンション経営」です。
都心エリアによくある雑居ビルの1Fで、細々と営業しているお店を見かける方も多いと思います。
今時売れそうもない商品やサービスでどうやって暮らしているのか、疑問に思ったことはないでしょうか?
それらのお店の経営者の大半は、昔から住んでいる地主さんで、ビルのオーナーなのです。
商売は親の代から義理で継いでいるか、趣味でやっているだけでしょう。
基本的に彼らは店舗の売上で生計を立てているのではなく、家賃収入で暮らしているのです。
好条件の土地を持っているならば、ビルやマンションの家賃収入によって生計を立てることは可能です。
活用できる土地があるならば、同じような事をしてみてはいかがでしょうか?
クリニック経営が楽になるだけでなく、将来も継続的に利用できる収入源が手に入るのです。
お金を生むもの、生まないもの
人は年をとっていくにつれ、資産を持つことが重要になりますが、現実的にはなかなか難しいものです。
開業して一時的に収入が増えても、永久に続くわけではありません。
将来は資産となる不動産を持つ事を考えた方が良いでしょう。
もちろん不動産についても「お金を生むもの」と「お金を生まないもの」があります。
すぐに現金化できるものを資産と考えれば、生活の基盤のため簡単に売ることが難しい自宅は「お金を生まないもの」であり、資産とは言えません。
お金を生む不動産の活用が重要になります。
競合するクリニックが存在する以上、開業してからもそれなりの努力が必要ですし、収入も自分が働いた分に限られます。
賃貸マンションの家賃収入が見込まれるのであれば、収入源が複数になります。
クリニックの赤字をあまり気にする必要がなくなるため、クリニック経営が楽になります。
もちろんマンションの1階をクリニックにしたり、最上階を自宅にしたりすることも可能です。
クリニック経営とマンション経営を同時に行うことに不安もあるでしょうが、賃貸マンションの管理は、専門の会社に任せることもできます。
親御さんからやがて相続する土地を持っている場合、活用しないのは宝の持ち腐れかもしれません。
ご自身に相続可能な土地があるのであれば、開業と資産活用を同時に進めることも考えてみてはいかがでしょうか?