小児科クリニックの開業準備で必要なもの・子育てを考える女医の人生プラン
小児科の開業と子育ては相性が良い
小児科の開業と子育ての相性が良いのは、開業する女性医師自身が出産と子育ての経験者だからです。出産・子育ての実体験からくる診療やカウンセリングの技術が、病児の診察を受けにくるお母さん方へ、安心と信頼感をもたらします。
こうした女性医師の実体験による診療の信頼性は、他の診療科目ではなかなか難しいことです。また、現在でも産婦人科の医師には男性の医師が多くいますが、当然ご自身では出産を経験することはできません。
糖尿病の診療を行う医師の多くは、糖尿病にかかった経験はないでしょう。認知症を治療する医師は、当然、認知症ではないでしょう。
多くの医師は、実体験を持つことなく教育と臨床の成果によって日々の診療をしていますが、小児科の女性医師は子育ての体験を開業に十分に生かすことができます。
子育ての人生プランの立て方
女性医師は、出産と子育てをする期間は医師としてのキャリアを中断せざるを得ない時間になります。
大きな病院であれば産休や育休の制度がありますので、そうした間は出産や育児に専念することができるでしょうが、勤務先からは慢性的な医師不足のために早く復帰してほしいと言う要請がくることでしょう。
現実問題として、産休や育休の為に勤務ができない間は収入がなくなりますので、子育ての合間にも生活に必要な収入を得る為に、紹介会社の斡旋するアルバイトに行く先生も多いことでしょう。
そうした生活の中でも、お子さんが3歳になるまでは出来るだけ一緒に過ごして子育てをする時間を持ってください。お子さんは、生まれてから3歳になるまでの間に一生の恩を返すと言われています。完全に母親に頼って成長していくこの期間は、人生でもただ一度だけの貴重な時間です。
女医さんが開業を考えるのは、お子様の中学受験を親子で考え始めた頃が一番現実的な時期です。受験は親が子供を支えることが大事ですし、受験となるとお金も相当にかかるからです。
小児科クリニックの開業準備で必要なもの
子育てと相性の良い小児科クリニックの開業準備で必要なものをご説明いたします。
クリニック開業の費用(開業資金)
小児科クリニックの開業に必要な費用は、一般的な開業を目指すのか、反対にミニマムな開業を目指すのか、開業の目的によって大きく変わってきます。
子育て中の時短開業や低リスク開業の場合は、固定費としてのテナント賃料を安くすることが大切です。小さな物件で小児科クリニックを開業する、ミニマム開業を目指します。すると自己資金も一般的な開業よりも必要なくなります。
小児科クリニックの立地は、他の診療科と違って駅前や人通りの多い商店街と言った、いわゆる一等地である必要はありません。小児科の立地条件の前提として、住宅地から繁華街に変わる中間点が理想的です。
患者さんは当然小さいお子さんなのでお母さんが自宅から連れてくることになります。そうした場合にも、静かな住宅地から賑やかな方向へ移動することは抵抗がありません。
その為、小児科クリニックに最適な立地は、一般的に「賃料の単価が比較的安い」と言う特徴があります。その分だけ、クリニック開業の費用や開業後のランニングコストが安く済みます。
そうした立地条件の中で、25坪程度の小さな床面積で小児科クリニックを開業する場合に必要となる費用についてご説明します。
1.テナント確保のための費用
患者さんが来院しやすい良い立地を選び、25坪程度のテナントを契約しようとすると、テナント賃料を坪14,000円、共益費を2,000円、保証金を6ヶ月と仮定した場合、テナント契約に必要な資金は下記のようになります。
前家賃:(14,000+2,000円)×25坪×税10%=440,000円(月額賃料)
保証金:14,000×25坪×6ヶ月=2,100,000円
仲介料+礼金:14,000円×25坪×税10%=385,000円×2=770,000円
保証会社契約料:賃料1ヶ月分=440,000円
合計概算:375万円
2.内装工事費
次にクリニックの内装工事費として
坪単価80万円×25坪×税10%=2,200万円
防災工事・その他の予備費=200万円
合計概算:2,400万円
3.医療機器購入費用
電子カルテ、血液検査装置などの概算:600万円
4.什器備品・看板工事・開業準備その他の費用
概算:500万円
5.運転資金
概算:1,500万円
以上、20坪程度のスペースで計画した場合には、開業に必要な資金は、合計で5,000万円から6,000万円程度、少し規模を大きくして35坪程度のスペースで計画した場合に、必要な資金は7,000万円程度となります。
開業に必要な書類
小児科クリニックの開業には様々な書類が必要となります。以下にそれらの必要書類のご案内を致します。
1.開設届と保険医療機関指定申請のために必要な書類
医師免許証の写し・テナント契約書写し(共に開設届の際に原本提示必要)、履歴書、臨床研修修了登録証写し、保険医登録票写し、クリニックの平面図、配置図、案内図、施設基準申請書、テナントビルの土地建物の登記簿謄本
2.融資を受けるために必要な書類
事業計画書、設備投資の見積もり、確定申告過去3年分、住宅ローンなど
各種の借入金明細、身分証明書(運転免許証など)、開業の趣意書
3.保健所の検査時に必要な書類
医療安全管理指針、院内感染対策指針、医薬品業務手順書、医療機器保守点検計画、個人情報保護方針、院内掲示(開設者・診療時間・管理医師)、検体検査業務日誌(院内検査がある場合)、診療用放射線の指針(X線設置の場合)
4.消防署に提出する書類
防火管理者講習修了証、防火管理者選任届、消防計画書
良きアドバイザー(コンサルタント)
クリニックの開業では、ゼロから事業を創り出す正に創業のプロセスを、極めて短期間のうちに経験します。
医師としていかに経験豊富であったとしても、開業に際して直面することのほとんどが未経験の課題となります。当然のことながら、初めて経験することで上手くいくことはありません。
そこで開業を成功させるために必要なのが「良きアドバイザー」となるコンサルタントの存在です。
コンサルタントを探す場合、先ずはウェブの検索から始める先生方がほとんどでしょう。様々なキーワードで検索して、ご自身の希望するサポートを得るために最適のコンサルタントを探すことになりますが、ここでも選びきれないほど多くのコンサルタント会社と開業情報があふれています。「どこのコンサルタント会社に相談をしたら良いのか困ってしまう」というのが多くの先生方の本音だと思います。
コンサルタント会社といっても実はその母体からして千差万別です。いわゆる大手のコンサルタントと言われているのは、医薬品卸や調剤薬局などの上場企業や医療機器メーカーなどです。そういった規模の大きな会社は本業では一流の仕事をしているのですが、開業コンサルタント業務は、その会社の本業の営業支援のために、開業支援の部署を作ってコンサルタント業務を行っているので、支援内容に偏りがあることが多いです。
コンサルタント業務は、クライアントである先生方の幸せを実現するために様々な技術を提供して開業を成功に導くのが本筋なのですが、大手と言われる会社は自社の利益のために開業支援をしていると言うのが本音です。
最近では、SNSなどで先生方が様々な開業の経験談を語り合う場もあります。そのまま鵜呑みにできない投稿などもありますが、ある程度は判断の材料にしても良いかと思います。
また、開業して成功されている先輩の経験から優良なコンサルタントを紹介してもらうことも良いかと思います。
小児科クリニックを開業し、経営を成功に導くためには、コンサルタント選びは本当に大切です。また、上記のような子育てとキャリアを両立させるためのミニマム開業を支援できるコンサルタントは、本当に少数だと思います。
開業を成功させるためには実績の豊富な、信頼できるコンサルタントに依頼してください。当社の小児科クリニック開業コンサルティングの詳細は、「小児科医院の開業を支援するクリニック開業コンサルティング」をご覧ください。
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