クリニック開業で役に立つ医薬品卸業者さんの選び方
担当者を見る
医薬品卸業者さんといえば、昔は規模の違う会社が多くありました。
しかし近年は、合併や統合などが繰り返され、現在首都圏では大手三社(スズケン・アルフレッサ・メディセオなど)に集約されつつ有ります。
そのため、一つの会社の中に様々な会社の出身者がいる状態となっています。
つまり、優秀な人からいわゆる使えない人まで、玉石混交という事です。
会社名だけでは担当になる人がどのような人なのか、なかなかわからないものです。
開院前に準備をする医薬品や医療消耗品などについては、開院直前にタイミングよく取り揃える必要があります。
それが、ダメな人が担当になってしまうと、準備がうまく進まなくなってしまいます。
そうなると開業が遅れたり、必要な物品が揃わないことで診療が出来なくなってしまうことも起こり得ます。
誰もそのようなことにはなりたくないでしょう。
しかし、誰が優秀で誰がダメな担当者なのか、顔や名刺交換だけではわかりません。
たいていの担当者は会った時に『先生の為に一生懸命お手伝いします。』と言いますが実際の対応はさまざまです。
では、どの様な基準で担当者を判断したら良いのでしょうか。
上手な担当者の見分け方
その様な時に、私たちがどの様に判断しているのか、ご紹介いたします。
それは仕事を依頼してみる事です。
シンプルな方法ですが、その人がどのような仕事をするのかが良くわかります。
まずは内装工事を始めた頃に、前述の各社の担当者に現場まで来てもらい、院長先生と名刺交換をしてもらいます。
その際に各社の医療用の備品や消耗品のカタログを持参してもらいます。
会社によってカタログは様々で、医療機器問屋の総合カタログをそのまま使っているところもあれば、自社でオリジナルのカタログを作っている会社もあります。
そして担当者に見積もりの依頼をし、その対応で判断いたします。
依頼する見積もり内容は、院内で使う医薬品と医療用の備品です。
院内で使う医薬品に関しては、各社に共通の見積依頼リストを渡します。
医療用の備品については、使う予定の物品を各社のカタログから同じようなものをそれぞれ10~20品程度をピックアップして見積依頼のリストにします。
大事なのは、各社へ同日・同時刻にメールで見積の依頼をすることです。
そして、見積もりが出てくる速さと価格を判断材料にします。
早い人だと1週間程で出てきますが、遅い人は1ヶ月が経過しても出てこないこともあります。
一般的には、内装工事が始まってからおよそ3ヶ月後位には開院します。
その間に色々と細かい物品を各種取り揃える必要が有ります。
その為には、先生の為にすぐに動いてくれる担当者が必要です。
先生の依頼に対して、スピーディーで正確であることが大事です。
御見積の中で多少金額が高い物があったとしても、後々交渉すれば良いのです。
まずは見積もりの早さと価格で担当者の力量を見ます。
まっ先に御見積を出してきたところと話を進めるのが良いでしょう。
もちろん担当者との相性も大事です。
いくら仕事が早くても、話がうまくかみ合わない人では開業準備は進みません。
その時は2番目に見積を出してきた担当者と、話を進めてもよいでしょう。
気の利いた動きをしてくれる担当者と、付き合っていきたいものです。
開院後の上手なお付き合いの仕方
開院後はある程度定期的に購入するものが決まり、作業もルーティーンになります。
そのため、有益な情報をくれたり何かと便宜を図ってくれるような担当者がよいでしょう。
また、担当者が変わると対応が悪くなることもあります。
その時は迷わず取引先を他社に変えることが必要です。
そうなった時に困らないよう、事前に各社と「取引契約」を交わしておくとよいでしょう。
「取引契約」には形式的ですが連帯保証人が必要になりますので、ご注意ください。
いかがでしょうか。
大事なのは「会社」ではなく「人(担当者)」です。
卸業者さんとは開院後も長く付き合っていくことになります。
よい担当者とよい関係を結べると、お仕事もスムーズに進んでいくでしょう。