歯科医院の開業に必要な資金とは?経営を成功させる3つのポイント
近年、コンビニエンスストアよりも数が多くなってきていると言われている歯科医院を開業する際、どのようなことに注意をして経営を進めていくべきか、さまざまな悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
また、新規で歯科医院を開業する際は、高額な開業資金が必要となることから、早期に収入を得るためにも他の歯科医院との差をつけるなど、工夫をして集患を行うことが重要です。
そこで今回は、歯科医院の経営に必要な資金や、経営を成功させるためのポイントについて紹介します。歯科医院の経営を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.【歯科経営】歯科医院に必要な開業資金の目安
あらゆる業者の中でも歯科医院の開業費は、最低でも5,000万円は必要といわれています。
以下は、歯科医院を開業するために必要となる費用の目安と項目を表にまとめたものです。
費用の相場 | 項目 | |
---|---|---|
賃借費用 | 500万円 |
|
内装工事費用 | 1,500~2,000万円 |
|
医療機器費用 | 1,500~2,000万円 |
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費用の合計 | 3,500~4,500万円 |
賃借費用 |
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費用の相場 500万円 項目
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内装工事費用 |
費用の相場 1,500~2,000万円 項目
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医療機器費用 |
費用の相場 1,500~2,000万円 項目
|
費用の合計 |
3,500~4,500万円 |
電子カルテを利用する場合や予約システムを導入する場合は、開業費に加え100~200万円の別途費用が必要です。
また、工事費や医療機器の他にも、待合室の椅子や冷蔵庫・ゴミ箱・傘立てなどの設置、トイレや受付などの備品の購入もあるため、事前に医院環境を整える備品等の購入資金もしっかりと準備しておくことが大切です。
1-1.用意しておくべき「運転資金」について
歯科医院を実際に経営していくためには、十分な運転資金が必要です。
保険診療分の収入の入金は2ヶ月後となるため、開業から2ヶ月間は保険診療の窓口での収入と自費診療の治療費のみの収入と言う事になりますが、開業当初は患者数も少ない為に、しばらくの間はまともな売上げは期待出来ないと思った方が賢明です。
- 人件費(受付スタッフ、助手、歯科衛生士など)
- 家賃
- 光熱費
- 外注技工費
- 各種診療材料費
上記の様な毎月の支出をまかなうためには、開業初年度は最低でも6ヶ月分に相当する約1,000万円の運転資金が必要です。
2.経営前に理解しておきたい歯科医院の現状・リスクについて
厚生労働省が発表しているデータでは、平成30年7月の時点で(※)68,621件の歯科医院が日本全国に存在します。しかし、2019年2月の時点で全国にあるコンビニエンスストアは(※)55,979店舗と、近年では歯科医院の件数がコンビニエンスストアの店舗数を上回る傾向にあります。
少子高齢化が進んでいくことが予想される中、2010年をピークに人口の減少が始まり、2060年には日本の高齢化率は40%を超えると考えられています。
しかし、人口減少が指摘される中でも20年前から歯科医院は約1万件ほど増加しているため、新規に歯科医院を開業しても近隣にすでに他の歯科医院があり、集患が困難であるケースも少なくはありません。
そのため、新規に歯科医院を開業する際は、立地の問題だけでなく他の歯科医院が集患のためにどのような環境を整え、取り組みを行っているのかを知ることが大切です。
3.歯科医院経営を成功させるための3つのポイントとは?
少子高齢化が進む中でも歯科医院の件数はどんどん増えているため、歯科医院の経営を成功させるためにも運転資金を多めに用意したり、従来の広告に加えて、SNSやLINEなどを使った歯科医院の宣伝広告を行ったりするなど、さまざまな工夫が必要です。
ここでは、歯科医院の経営を成功させるための3つのポイントを具体的に紹介します。
3-1.なるべく多くの運転資金を用意しておく
歯科医院を開業する際は、経営難に陥らないためにも、なるべく多くの運転資金を用意しておくことが大切です。どの様な事業でも、運転資金が尽きればそこで全てがおしまいになってしまいます。
例えば、開業資金が4,000万円必要な場合、自己資金を1,000万円程用意して、これを運転資金として開業する方も少なくありません。しかし、安定した経営を考える場合は、借入金を追加してでも2,000万円位の運転資金を用意することが、経営を安定させる近道となります。もちろん、自己資金を2,000万円位用意できればそれに越したことはありませんが、現実にはなかなか難しいことだと思います。
新規で歯科医院を開業してから半年くらいは、満足な売上げが望めないと思って、運転資金は多めに用意しておきましょう。
3-2.さまざまな方法で集患を行う
新規で歯科医院を開業する際は、集患活動をしっかりと行うことが大切です。特に都市部では歯科医院の数は過剰気味であるため、他の歯科医院との差をつけることで多くの患者さんに来てもらえる様にする事を考えなくてはなりません。
以下は、他の歯科医院との差をつける際の宣伝方法と、有効な広告媒体をまとめたものです。
宣伝方法 |
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広告媒体 |
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歯科医院は地域との密着度が高いため、クリニックの看板以外にも最寄り駅の看板や、バスの広告などの広告媒体を利用することで集患が期待できるでしょう。
また、近年では約8割の見込み患者さんがネットで情報を収集して歯科医院を選んでいるともいわれており、歯科医院のホームページの作成は必須となっています。そのため、歯科医院の情報を載せるだけではなく、診療予約や歯の治療・健診・虫歯予防などについても相談できる機能を設置することをおすすめします。
新規に開業した歯科医院のオープン前は、入りやすい雰囲気を作るために内覧会を行うことが定着しています。院長や事務スタッフを含め、親しみやすい歯科医院の雰囲気づくりを行うことが大切です。
3-3.医師・スタッフともに技術力・経営力を身につける
競争の激しい中で生き残るためには、院長自身もスタッフとともに、技術力や経営力を身につけることが重要です。自身のステップアップやスタッフ教育のためにも、日々の業務の他にも講習会や勉強会へ積極的に参加しましょう。院長やスタッフの診療技術や経営力が向上することで、医院サービスレベルも自然と上がっていきます。
また、経営に関する知識を身につけることも大切です。経営の知識を身につけることで、売上げの増加につながる、必要な投資の判断をつけることができるため、様々な支出にかけるべき費用を見直すことが可能です。
4.歯科開業にお悩みの方必見!歯科医院の「開業支援」とは?
新規で歯科医院を開業する際は、資金調達から集患活動まで行う必要があるため、開業セミナーや講習会などに参加する先生方も多いことでしょう。しかしながら全てを自分でやろうと思っても、初めて経験することですから上手く出来る事は希です。事業を成功させるためには、歯科医院の開業や経営の支援を専門とする、信頼できる会社を活用することがおすすめです。
歯科医院の開業支援会社のサービスは様々ですが、主に資金計画や開業スケジュールの立案、開業に必要な各種手続きのサポートなどを行います。また、歯科医院の経営に関するサポートを行っている会社もありますので、開業支援会社をうまく活用すれば希望通りの歯科医院を開業・経営することができるでしょう。
専門性の高い経営のプロからアドバイスをもらうことは、歯科医院の経営を早期に軌道に乗せるためにも有効です。適切な自己資金額や開業方法など、経営者の視点で見ることが大切です。
まとめ
近年、コンビニエンスストアよりも件数の多い歯科医院を新規で開業する際は、他の歯科医院との差をつけるためにも、効果的な広告やホームページを作成して集患することが重要です。
また、開業の成功例を持ち、信頼出来る開業支援会社を活用する事が良いでしょう。専門性の高いプロの開業支援を受けることで、歯科医院を早期に軌道に乗せることが可能です。
新規で歯科医院を開業する際は、経営のプロである開業支援会社から歯科医院の開業や経営に関する相談やサポートを受け、歯科医院の開業から経営までをスムーズに進めましょう。