泌尿器科医院の開業を支援するクリニック開業コンサルティング

当社では、泌尿器科クリニックの新規開業支援を行っています。泌尿器科クリニック開業コンサルティングでお話しする泌尿器科の時代の流れと立地についてまとめました。新規開業を目指される医師の参考になれば幸いです。

クリニックの新規開業には、場所、資金、タイミング、内装工事、各種申請など、様々なことを医師ご自身が決めなければなりません。クリニックを新規開業して失敗しないためには、医師の技術や開業場所の選定だけでなく、経営や人事に関する知識も必要となります。勤務医を続けながら、勉強する時間も無い中でご苦労される医師も多いことが現状です。

そういった医師におすすめなのが、当社のようなクリニック開業コンサルティングです。コンサルタントに新規開業支援をご希望の医師は、コンサルタントの支援方針や相性を確かめることが大事です。当社のウェビナーによる無料開業相談をご利用ください。

泌尿器科医院の歴史と時代の変化

泌尿器科医院は、かつては医学部の教育過程で皮膚科も併せて行われていたことから、泌尿器科・皮膚科医院としての開業が多かった時代がありました。

それは平均寿命がそれほど長くなる前の時代から昭和が終わるまでのことで、高齢者層を対象とする泌尿器科疾病よりも、中高年層の泌尿器科疾患の扱いが多かったことが関係している様に思います。

その様な時代の泌尿器科領域の医院では、性病の治療を受ける患者さんの数も多く、それらの性病の症状としても特徴的な皮膚疾患が現れることから、泌尿器科の診療と皮膚科の診療は密接に関係していました。

抗生物質の開発に伴って、かつては主流を占め国民病とも言われてきた、結核を始めとする各種の疾病が治療される様になり、今では泌尿器科の病気の内容も以前とはかなり違ってくる様になりました。

昔の泌尿器科・皮膚科医院の多くが、性病の検査や治療に通う医院という認識をされていた時代が長く続いてきたために、今でもそのように認識している患者さんがいます。そのようなことから、新規開業を目指すドクターの中では、性病の治療を受けに来る患者さんが多いことを想定して、開業場所は表通りではなくて、患者さんがクリニックに出入りしていることを人に見られない様な裏路地や、目立たない場所が良いと考える方もいます。

平成の時代を経て令和の時代となった現在では、泌尿器科疾患の内容も受診する患者さんの意識も大きく変わってきました。

平均寿命が伸びて高齢化社会が到来した今、男性では前立腺肥大や夜間頻尿、女性では尿漏れなど、高齢者に多く出現する病気や症状の改善を必要とする患者さんが増えてきています。

泌尿器科クリニックでは、高齢者のそのような病気や症状の診療が主流となってきました。

内視鏡検査を頻回に行うことは避けましょう

内視鏡検査の体験談

最近では、泌尿器科医院で内視鏡検査が行えるクリニックが増えてきたように思います。

以前、私自身も排尿や夜間頻尿などの悩みで、都心の駅近くの泌尿器科のクリニックにかかったことがあります。

院長先生から一通りの診察を受けて、「前立腺肥大の疑いがあるので内視鏡検査をしましょう、今からでも内視鏡の検査ができますが、どうしますか?」と言われました。

私は開業支援のお仕事をしている中で、これまで色々な検査を受けた経験がありますが、泌尿器科の内視鏡検査はまだ経験したことがありませんでした。

泌尿器科のドクターの開業準備をする中では、内視鏡診察台や硬性鏡・軟性鏡、尿流量計など、これまで泌尿器科特有の医療機器に接する機会は沢山ありましたが、さすがに内視鏡検査まではそれまで経験したことがありませんでした。

今後のためにも一度は経験しておいた方が勉強になって良いかなとも思いましたので、痛そうな感じがする検査ですが、麻酔もすることだし大丈夫かと思いまして、その日に内視鏡検査を受けることにしました。

検査の説明を受けて前処置も済んで、検査を受けることになりましたが、クリニック自体が都心の小さなテナントビルでの開業なので、専用の内視鏡検査室が別にあるわけでもなく、処置室の診察台の上で検査が始まりました。

キシロカインゼリーもたくさん塗って、尿道から軟性鏡を挿入し始めたのですが、やはり挿入時の痛みがあって、なかなか内視鏡が前に進みません、院長は力を抜いてというのですが、検査自体がスムースに進まなくて時間がかかっているために、少々イラついている様子がわかりました。

こうしてなんとか内視鏡検査を終了して、最後に診断を受けた結果は、「初期の前立腺肥大が見られるようなのでお薬を出しておきます。」というものでした。診察代のお会計をして、処方箋を受け取ってクリニックを出たのですが、その時にクリニックに支払った窓口料金は5万円ほどでした。

健康保険の窓口負担は3割でしたので、クリニックの売り上げとしては15万円程になったのでしょうか。

内視鏡検査にかかった時間は15分程度だったかと思います。

内視鏡検査を受けて思ったこと

そこで思ったことは、「内視鏡検査をどんどんやったら、泌尿器科クリニックは大変な売り上げになるな」ということでした。何しろ前立腺肥大の疑いのある人は大勢来院し、15分程度の検査で15万円くらいの売り上げです。軒並み内視鏡検査をすれば相当な売り上げになることでしょう。

ちなみにそのクリニックの待合室には、系列の有料老人ホームの案内ポスターがありました。場所は千葉県の奥の方のようですが、都心のクリニックで上げた売り上げを元にして、シルバービジネスに参入したような印象を受けました。

クリニックの診療報酬は出来高払いですので、検査が多くなれば当然診療報酬も大きなものになります。最もレセプトの返礼もあることでしょうが、それでも多くの収益が上がることは間違いありません。

内視鏡検査は患者さんのため?

もう一つ思ったことは、「前立腺の内視鏡検査は患者さんのために必要なものか?」ということです。

内視鏡検査は、受ける患者さんの身体的な負担や経済的な負担も大きくなるものです。前立腺肥大は、エコーや尿流量測定などの身体的な負担のない検査でも、十分に診断可能では無いでしょうか。内視鏡検査の必要性の判断はドクターが行うものですから、一般の患者さんはその検査の必要性が正しいのかどうかはわかりません。

前立腺癌の疑いにも血液検査であるPSA検査や直腸診など、患者さんの身体的な負担の少ない方法などもあります。

人間ドックや健康診断で、胃カメラなどの内視鏡検査は定期的に受けることが一般社会にも浸透していますが、泌尿器科の内視鏡検査は医学的に必要と判断される場合に限定して行うことで、患者さんの負担を軽減できる診療が望まれると思います。

クリニック経営の長期安定には、「高額な検査を増やしていけば良い」という考えよりも、患者さんのことを考えた医療の方が、結果的に効果があります。

『フェムテック』による女性泌尿器科の領域が拡大

高齢化社会の中でも、女性の平均寿命が圧倒的に長くなっていますので、高齢の女性の人数が大変増えています。

老人ホームや介護施設に入所している方の多くを、女性の入所者が占めていることから、泌尿器科領域においても女性患者さんへの対応は大変重要な課題となっています。

フェムテックの需要拡大

近年『フェムテック』という言葉が話題になっています。これは、女性のライフステージにおける様々な課題を解決できる製品やサービスのことを言い、2025年までに5兆円規模の市場になると言われて、多くの企業がフェムテックの市場に参入し始めてきました。

身近なところでは、女性医師によるデリケートゾーンの出来物の治療や、尿漏れに対する膣ハイフの超音波治療など、保険診療と自費診療を含めて多くのクリニックが『フェムテック』に対応するサービスに積極的になってきています。

産婦人科や皮膚科・形成外科・美容皮膚科などの専門領域では、今では女性の医師が多数活躍しているので、診療面でも『フェムテック』に対応することが比較的容易になってきました。

女性医師の泌尿器科クリニックが求められる時代

ところが、泌尿器科の専門医はやはり依然として男性の医師が多く、女性の泌尿器科医師は小数のままです。

泌尿器科は外科系ですので、当然、病院勤務の中では手術や当直などの頻度も多く、体力的にも相当に過酷な勤務を強いられることになりますので、女性医師にとっては、病院勤務を続けていくことにハードルが高い専門分野ということなのでしょう。

ただ、女性の患者さんが「女医の泌尿器科クリニックに通いたい」というニーズが少なからずあり、今後そのようなニーズが増えていく可能性があります。

実績は少数ですが、女性と小児の患者さんの診療を専門とした、女性泌尿器科・小児泌尿器科のクリニックを開業している女性医師がおります。

産婦人科の女性医師が開業した場合と同じように、同性ということでの来院や受信のしやすさというのがあって、予約が取りづらいくらいに繁盛しています。

女性専門の対応をしているクリニックの数が極めて少ないので、当社でも女性医師による泌尿器科クリニック開業支援に力を入れたいと考えています。男性医師の泌尿器科クリニックの開業の場合にも『フェムテック』の対応が求められているので、フェムテック導入のご支援に力を入れています。

泌尿器科クリニック経営成功のための立地条件

泌尿器科クリニックを開業してたくさんの患者さんに来てもらえるようにするためには、マーケットに合わせた立地の選定が大切です。

都心でビジネスをしている人と高齢者を対象とした泌尿器科クリニックの立地条件についてご説明いたします。

都心で開業した泌尿器クリニックの立地条件

以前、東京都で泌尿器科クリニックを新規開業されたドクターのコンサルティング支援をさせていただいた時の経験です。

開業ご希望の医師のご要望

その医師から初めに開業相談をお受けした時には、ある医療法人の分院であるクリニックで雇われ院長として勤務していました。

その医師が院長として勤務を開始した頃は、来院する患者さんが少なくて、患者さんが1日当たり10人も来ないような赤字経営だったとのことです。

その医師は、「このままではいけない」と思い誠心誠意診療を続けていくことで、コツコツと来院する患者さんを増やしていきました。

そして、その医師から開業相談を受けた当時は、大変に繁盛しているクリニックとなっていました。しかし、医療法人の理事長から指示される医療に対する姿勢に違和感があって、「自分の考える誠心誠意の診療を続けるためには開業しかない」ということで、開業を決意されました。

コンサルティング支援では、まず院長としてのこれまでの経験や、得意分野・やりたい医療などを事細かにヒアリングして、新規開業に対するコンセプトを固めました。そして、市場動向やマーケティング分析も考慮した結果、都内に勤務する中高年層と働く女性をターゲットにした、泌尿器科のクリニックを開業する計画となりました。

開業に適したテナント探し

早速、事業計画に基づいて開業に適したテナントを探し始めました。

やがて都心のターミナル駅に近い場所で思い通りの物件が見つかり、そこから順調に開業準備を始めて新規開院のスタートを切ることになりました。

この時、開業場所の選定についてこだわりを持ったのが、「わかりやすい目立つ場所」ということです。もちろん駅前のロータリーに面したようなテナントであれば条件としては申し分ないのですが、そのような場所は飲食店などが多く営業している場所で、クリニックに必要な面積を確保しようとすると、家賃がとても高くなってしまうことと、第一空いているテナントが無いというのが現実です。

そこで、開業場所の立地選定を駅前の繁華街が終わって、ビジネス街に変わる中間地点で、近隣のオフィスに勤務する人たちがたくさん通行する通勤路に場所を絞り、苦労しながらも物件を探しました。

そうした努力が実って、多くのお勤めの方たちが通行する通勤路の交差点近くに開業に適した泌尿器科クリニック用のテナントを見つけることができました。

患者さんの時間に合わせた開業時間設定

次に開業時間の設定を、ビジネス街で働く中高年層や女性に会わせて、午前10時に開始して、20時までの診療を月曜日から土曜日まで続けることにしました。

はじめのうちは患者さんも少なかったのですが、お勤め帰りに通院できる時間帯に診療していることから、来院患者さんのピークが18時頃になって、多くの患者さんが来院するようになりました。

もちろんそればかりではなく、院長先生の誠実で献身的な診療姿勢が多くの患者さんに支持された結果であるということは言うまでもありません。

高齢者を対象とした立地条件

上記の事例は、ビジネス街で働く人を対象とした泌尿器科クリニックでしたが、高齢者を対象とすることも成功のポイントです。

泌尿器科疾患の多くが、加齢に伴う機能低下を要因とするものであることから、高齢になれば多くの人が治療を必要とするようになります。

もちろん、癌や腎機能の低下などと言ったシリアスな疾患を持つ患者さんもいますが、クリニックで診療する対象とは言えません。そうした患者さんは高度な診療体制を持つ病院で治療するものであって、地域のクリニックが担う役割はとは別のものです。

診療を受けたい患者さんの層が高齢化して来ると、クリニックの立地は必然的に高齢者の日常に近い場所、通いやすい場所であることが求められて来ると言えるでしょう。

多くの患者さんは日常生活の中で、排尿に関する不自由さを抱えていますので、日常的に通いやすい場所や、分かりやすい場所にクリニックの立地を選定することが大切です。

泌尿器科医は在宅医療にも大きな期待が寄せられている

高齢化社会の到来とともに、国の政策のもとに病院の入院治療から、患者さんの自宅での看取りを進める在宅医療が推進されてきました。その結果、訪問診療を専門とする多くのクリニックが開設されましたが、それらのクリニックで勤務する医師の多くが内科を専門とするドクターです。

もちろん一般の開業医の中でも、在宅医療に積極的に取り組んでいる医師もおりますが、在宅療養支援診療所の基準を満たすためには、24時間365日の往診対応を必要とされますので、クリニック1件だけで行うのは難しいものがあります。そこで、志のある医師会の会員の中で、相互に連携の可能な内科医院の医師が複数で対応する機能強化型在宅療養支援診療所も増えています。

内科医師による全身管理は病院と同様に基本ではありますが、在宅診療を必要とする患者さんの疾病は多岐にわたっています。診察や検査、薬の処方だけでなく、外科系の医師のスキルが必要となる場面も当然多くあります。

中でも、排尿に伴うカテーテルの管理は泌尿器科の医師が、日常行っている手技ですので最も得意とする分野では無いでしょうか。

現実に当社で開業支援をした泌尿器科医院の中でも、多くの先生方が在宅医療に積極的に取り組んでいます。

これからも多くの在宅患者さんが、泌尿器科医師の診療を望んでいることでしょう。今後の在宅医療分野において、泌尿器科医師の果たす役割は大きなものがあると期待されています。

泌尿器科クリニック開業コンサルならオクスアイ

泌尿器科クリニックの新規開業コンサルティングなら、実績豊富なオクスアイにご相談ください。

当社では、クリニック開業のアドバイスはもちろんのこと、クリニックの事業計画(経営計画)立案、資金調達支援、開業場所検討支援、クリニックの内装工事支援、各種申請支援、医療機器や電子カルテなどの開業準備のご支援、人材教育、開業後の経営相談など、当社1社でクリニック開業の全体的なご支援を、ワンストップで対応しています。

泌尿器科クリニックを開業して成功させるためには、上記のこと以外にもたくさんの知識とノウハウが必要となります。医師の人生計画やちょっとした悩み相談にも丁寧に対応いたします。独立開業を検討されたら、お早めにご相談ください。

当社のコンサルティングサービス

  • 開業相談(無料)
  • 開業候補地の選定(無料)
  • 医療需要調査(無料)
  • クリニック開業準備コンサルティング
    • 医師のご事情に合わせた事業計画書の作成(施設概要、資金計画、資金手当て、収益計画、費用の設定、事業収支計画書、資金繰り表)
    • 金融機関との借入交渉(交渉方法アドバイス、交渉資料作成、借入用の事業計画作成)
    • 新規事業に関わる関係官庁との調整(保健所、厚生局、消防署など)
    • 外注業者との契約条件等の調整(外注業者の仕事内容や見積もりの取り方、付き合い方、相場などのアドバイス)
    • 人事労務関係のアドバイス(クリニック経営に適した就業規則作成、スタッフ募集支援)
    • クリニック経営者育成コンサルティング(当社オリジナル)
  • 建築工事の実務支援
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    • 内装工事
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